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青年海外協力隊fiji野球隊員備忘録.小言戯言独り言。

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夢 与えちゃったかも

 

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Bula all.  コン二チハ ヤキュウタイインノオオシマデス

 

 

Yaahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhtto 帰ってきました同僚。

思わずハイタッチしちゃった。


色んなことがあったし、色んなことをやったし、色んなことができるようになった選手たち。
明日以降の練習で選手の変化を見せて驚かせたい。

 

 

  •  0.0011111%
  • 全然普及できてない
  • srow but sure
  • 夢の9ドル札
  • 夢与えちゃいました

 

 

 

先々週までの面談で集めたもの。
ナショナルチームの選手13人。一人ひとりの夢や目標をワードクラウドでまとめてみた。

 

 

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他と比べてProfessionalの文字がやや大きい。
次点でbaseball。そしてFijiとなった。

 

これが何を意味するのだろうか。
「Fijiでbaseballの代表選手に聞いているのだから当然の結果」と言われればそれまでの話かもしれない。

 

フィジーでいったい何人の人が「野球を知っている」のだろう。
フィジアンは「Do you know baseball?」と聞くと少し迷って「yes」と答える。
でもまともに知っている人に会ったことがない。
フィジアンは「no」と言うことをしないのだ

 


人口約90万人のフィジー共和国の中で私が野球を教えているのが約100人。
短期ボランティアの方や前任者の関わった選手たちは未知数だが
全選手の親兄弟を含めたとして仮に1000人が「野球を知っていた」としても       

0.0011111%

 

                   ⁉

 


よくわからない数字になってしまったが99%の人は未だ「野球を知らない」ことになる。

 

「全然普及できてないやん」と思うかもしれない。いや思うはず。

自分で計算してびっくりした。単純な割り算を3度も確かめたのは久しぶりだ。

 

1%にも満たないって……

 

でっでもZEROじゃない!

1000人の人は野球を知っているのだから。


JICAのボランティア事業が入っていなければ2017年現在でも普及率0%だったかもしれない。

 

ゼロからゼロ以上のものを生み出したと言っても過言ではない。 いや過言かもしれない。

 

 

そう思うと我々のやっていることは壮大なことに思えてくる。

全く知らない国から外人がやってきて謎の運動を広める。

それだけでは飽き足らず礼儀作法や挨拶や行動速度までにも口を出してくる。

ちょっとした宗教だ。野球教。

 

 

そしてこの布教活動に参加している熱心な信者たちは「野球教のプロになりたい」のだという。


国全体で見れば限りなく0に近い割合だけれど、ゼロではない。数人の子どもたちの“将来の夢”の選択肢に「野球選手」が入ってきたのだ。

 

野球は、彼らの親だってやったことのないスポーツだろうし、学校で言おうもんなら「お前ら野球なんてやってんのダッセー」と言われるかもしれない。

 

むしろ「ダサい」と言うやつはまだ良い。野球の認知度が低いことを知っているということは、少なからず野球というスポーツの存在を知っていることになる。

 

「野球?何それ?」ってのが99%の国で、彼らは堂々と“野球”を夢に掲げたのだ。

99%の人間が知りもしない超マイナーなものに取り組んだことはないが、周りに理解されにくいことはわかる。

 

minority がどうとか言うレベルの話ではない。

 

 

 

 

 

 

 

2000年に野球協会が発足して17年。

2000年に生まれた子は女子高生になっている。

 

17年経ってもまだ人口の1%にも到達していない普及率。現実。

 

でも確実に増えている。

srow but sure

ゆっくり だが 確実に

 

フィジーに今までなかった選択肢を選ぶ若者が出てきている。
ZEROから1になろうとしている。
この小さな一歩はどんな一歩よりも大きな前進になる。 

 

 

ナショナルメンバーの中にも「野球歴2年未満の選手」が3人もいる。

「去年まで野球なんて知らなかったよ」と嬉しそうに言う彼らは「ラグビーより野球のほうが楽しいと言う。

 

 

 

ナショナルメンバーの13人中11人が「プロ野球選手になりたい」と言い、残りの二人は「プロ野球リーグを創りたい」と言った。

 


私の夢がまさに「フィジーに(プロ)野球リーグを創る」こと。同じ夢なら一人より二人のほうが叶えられそう。

 

五輪とかWBCとかにフィジー代表が出て世界一になった日には自分の銅像を建ててもらおうと思っている。


日本の友人には「世界一になって銅像になってくるわ」と言って別れてきた。
夢はでっかいほうがいい。Think big!

 


話は変わるが2016年リオ五輪でフィジーは初めての金メダルを獲得した。
それが7人制ラグビーだ。
同僚に当時のことを尋ねたら「物凄く感動した」と言ってyoutubeから映像を引っ張ってきてくれたので二人で観た。


Rio Replay: Men's Rugby Sevens Final Match


勝戦を20分にまとめた動画。半分過ぎたあたりで、勝利を確信したのかフィジーの選手がもう泣いてる。
「まだ半分残ってるじゃんね」と横を見ると同僚も泣いてた。
泣き虫かよ。同僚のそーゆーとこ好き🐖

 

 


普及率80~90%(大嶋調べ)のラグビーで国内史上初の金メダル。
首都スバの当時の盛り上がりも想像するに易い。

 

国旗のデザインが気に入らなくて変えようとしていた(らしい)当時の大統領だが首相だかも、金メダルに発狂しすぎて国旗そっちのけで7ドル札を作らせたそう。

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世にも珍しい7ドル札。計算苦手なくせに7ドル札。7人制ラグビーだから7ドル札。
あまりにも安易な発想過ぎて親近感沸く。友達になれそう(笑)


そんなわけで大嶋の二つ目の夢。9ドル札。ちゃっかり自分も入れてみました。
説明は不要かと(笑)

 

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話は戻って子どもたちの夢に…

一人の選手が「ナショナルコーチになりたい」と言った。
「なんで選手じゃなくてコーチなの?」と単純に思ってしまったが

 

ナショナルコーチというのは現在の私の肩書である。
私の存在がそのまま夢になったのだとしらこんなに嬉しいことはない。

息子が自分の店を継ぐと言った時の親父の気持ち。今ならわかりそう(笑)


「簡単な仕事じゃないぞ」と言うと「知ってる。俺なら出来るよ」と。頼もしい。


「ケントに出来るんだから俺にだって出来る」と思われているのなら、それは成功。

 

簡単なことを難しく見せるのは三流。
難しい事を難しく見せるのは二流。
難しい事を簡単にやって見せるのが一流。

簡単だと思われてるなら 俺、一流じゃん(笑)
子どもに“夢”与えちゃいました!(☜ポジティブに捉えすぎ)

 


「世の中は甘くないぞ」って忠告するのが大人の仕事かもしれないが、「お前にだって出来るよ。やってみようぜ!」って背中を押す大人がいてもいいんじゃないだろうか。


別に皆が野球をやらなくたっていいし、なんだったらスポーツなんてしなくたっていい。

 

ただ、目の前に見えている世界が全てじゃない。
世界はもっと広くて、自分の知らない面白いものがいっぱいある。

ってことに気付いてほしい。


これは大人だってそう。
自分自身もフィジーに来て世界が広がったし、知らなかったことばっか見たし、まだまだ知らないことの方が多いんだと思う。


野球だって全然上手くないけど、彼らは自分のように上手くなりたいと言ってくれるし、何かしらの影響を与えることが出来ていると思う。
それだけでここにいる意味はあるだろう。

 

完全なる異文化である“野球”が1%にも満たないフィジアンに受け入れられていること。
野球との出会いは彼らの人生を変えたことになる。
彼らとの出会いもまた、私の人生に大きな変化を齎しているのかもしれない。

 


将来この国にプロリーグが出来る日が待ち遠しいです。
9ドル札のデザインが採用されたら印税で暮らせるかな(笑)

 

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