お金と生命と日焼け
部屋とワイシャツとわたしみたいなタイトルになってしまいました。
2018年も相変わらず書きながら迷走しています。
Auckland遠征まで1週間となり最後の追い込みで熱くなっている野球隊員大嶋です。
大嶋の野球熱に比例するように首都スバの気温もぐんぐん上がっています。
日焼けが止まりません。毎週のように脱皮と生成を繰り返しています。
サングラス焼けでパンダみたいな顔はどこに行ってもクスクス笑われます。
自分の中での“(大会で)勝ちたい欲”が日に日に膨らんできて些細なミスで大きい声を出してしまう人間としての小ささが最近の悩みです。
息子が小さい時に大事にしてたフィギュアを旅行先に忘れちゃって「だから持ち歩くなって言ったでしょ?」って怒ったら「悲しいんだから怒らないで」って言われてハッとなった。この間、私が旅行先に上着忘れた時「大丈夫?悲しくない?」って息子。怒るって自分の為で相手の為じゃないって気づき。
— ニャンボス (@nyanboss) 2018年1月6日
昨年の11月から本格的にスタートしたナショナルチーム。
同僚CPは資金やユニフォーム作り、選手のパスポートやビザにエアチケットと大忙し。
現場の自分も一人でアタフタしてたり。
そんなこんなを乗り越えてようやくチームもチームらしくなってきました。
当初から不安だったお金の問題も殆ど片付いたようです。(実はまだ不安)
というのもナショナルチームとは言え、野球の認知度は下の下。
国際大会とは言え費用は全額自己負担。
選手の保護者には相当な負担が強いられます。
往復の飛行機代と1週間の宿泊費、食費その他諸々で約2000フィジードル。
一般的な国民の平均月収が1000フィジードルとされている中でのこの額。
とんでもないことです。
息子がドはまりしている謎のスポーツの為に、2ヶ月分の給料をポンっと出せる親が日本にどれだけいるだろうか。
兄弟でチーム入りしている家庭は4か月分。
昨年から始めて親元を離れて生活するようになった自分にも、この出費がいかに大きいかがよくわかります。というか自分も行くので(笑)
日本で言ったらユースの侍ジャパン。
スポンサーがついたりしてユニフォームから費用まで出してもらえるんだろうな(あくまでも予想)と思うと、今回身を切る想いで払ってくれている選手の保護者には僕からも感謝をもう仕上げるレベルです。
Vinaka vakalevu
お金の関係でナショナルチームへの参加を途中で辞退した選手もいました。
ここには書けないような話もあったりして、悲しい知らせを同僚や子どもたちの口からきくたびに「野球(好きなこと)が出来ることに有難みを感じ、当たり前のことなんてないんだな」と日々感謝を忘れずに野球小僧達と汗を流しています。
野球するのにはお金がかかる。
日本人でもよく知っているこのこと。
お金がかかるスポーツだからこそ学べることがある。と思う。
野球=お金がかかるってのは
フィジアンもなんとなくわかっているみたい。
サッカーやバスケはボールさえ有れば出来るし、ラグビーなんてペットボトル一個で遊べちゃう。最強かよ。
野球は道具がいっぱい必要。
でもその道具も彼らはいつも借りるだけで自分のお金で買ったことがない。
「タダほど高いものはない」なんて言うけど、自分が負担していないものって意外と大事にしないみたい。
グラブを投げて渡すことは未だにやっているし、バッグに座ったりボールを踏んだりする光景もだいぶ減ったがまだまだ。
価値を知らないから。値段じゃなくて価値。
高いから大事にするとか、安いから粗末に扱っていいとかそーいうんじゃなくて
もっと本質的なところの話。
野球の技術云々もそうだけど
人の行動は基本的に強制できないと思っていて
出来るとすれば、彼らの考え方を変えるきっかけを与えるくらい
指導とは………被指導者の心身の機能と構造を変容させること。
「こうしたら上手くいくかもよ」っていう提案をして、相手がやってみた結果で判断する。
「なぜなら、こーゆー理由があって」って時には理屈も交えながら
「20ドル札落ちてたらどうする?」
「拾う!」
「お前が今踏んでたボール、20ドルするんだぜ?」
って話だったり
グローブを投げる選手には
「君の家では赤ちゃんを投げるのかい?」って聞いたりする。
極端な例だけど、野球選手にとっては道具は商売道具だし相棒だし家族みたいなもの。
手入れして大事に扱えば助けてくれる、そうしなければそうじゃない結果が返ってくる
最初は判りやすい形で価値を知っていけば大きくなった時に意味が分かる日が来る。
自分がそうだったように。
そうして彼らが次の世代に伝えてくれればいい。
ユニフォームが配られた時の喜びようと言ったらもう。
あの瞬間の感情を忘れてほしくない。
野球道具だけじゃなくって他のものも大切に出来るようになってくれればなお嬉しい。
最終的には命を大切にっていうのに繋がる。
毎週のように練習以外でケガをしてくる選手がいる。
「代表選手なんだから自己管理をしなきゃ」なんて指導は間違っているのかもしれないけど「みんなの体には2000ドルの期待がかかってるんだぜ」と最近は笑いながら言ってます(半分マジ)
足が痛くて引きづってるのに「まだできる」と言って聞かない選手もいる。
わかるよ。気持ちは解る。でも指導者は選手の将来を預かってるから。
「何のためにやっているのかを思い出そう。今バッティング練習をしたいのか、来週の試合で活躍したいのか。どっち?」
自分を大事に出来て初めて他の大事な何かを手に入れられる。
これは健康管理員に頂いたお言葉です。
偉そうに言ってる自分も日焼けのし過ぎで怒られてしまいました。
今年は日焼け止め塗ろうかな…
残り1週間 自分に出来ることを!
Do what I can, where I am, with I have
NO SWING
NO HIT!!!!!