出来なくて当たり前 出来たら男前

青年海外協力隊fiji野球隊員備忘録.小言戯言独り言。

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本音とホンネ

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いよいよナショナルチームオセアニア遠征当日になりました。
今日7年ぶりの国際大会にフィジー野球が挑戦するたびが始まります。

 

子どもたち、いや選手たちは驚くほどのスピードで変化しています。

この2ヶ月で少なくとも5000スイング5000キャッチ5000スローを全ての選手がこなしました(計算上)

 

練習の質も大事ですが(数も大したことはないですが)フィジアンの少年が自分の時間を野球に割いて努力をしたということ大きいです。

 

特にバッティングは見違えるように伸びています。オセアニアでも通じるだろうか…

 

野球の技術の他にも、チーム力というかコミュニケーションとかリレーションシップというか、あとはリスペクトとかマナーとかカタカナばかりですが数字では表せない部分の変化も見られます。

 

こっちはどこに行っても通じることなのかな。

 

chengeを求めてchalengeしてきた結果得たchance。

 

それでも唯一変わらないものは「楽しむ」気持ち。

 

キツイトレーニングでも、雨の日の練習でも、コーチに怒られていてもいつでも楽しめちゃう彼らはこの先どんなことがあっても楽しめちゃうんだろうな。

 

そんな13人の少年たちの人生を変える旅に今日出発します。

 

期待と不安と緊張といろんなものをひっくるめて最高の7日間にしたいと思っています。

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やっと真っ直ぐ歩けるようになりました(笑)

 

と、その前に。

 

本音と建前。なんて言葉が日本にはありますが、先日同期隊員(同居人PT)が活動先に診療に来てくれた際のことを…

 

日頃から数人の選手が体の痛みを訴えていたことと大会前の追い込み(練習)の疲労も考慮してプロに体を診てもらうことに

 

とはいえ、相手は思春期の少年。

 

大して痛くもないのにここぞとばかりに大げさに訴えてみたり

ホントは痛いのに何ともないように振舞ってみたりと指導者は選手を見て聞いて判断しなくてはいけません。


一人の選手が数日前にダイビングキャッチで胸を打ったことによる痛みを訴えていました。

 

明らかに腫れている。素人目に観ても内側に異常があるのは間違いないと言える状態。
それでも「出来る。やりたい。」と言って聞かない本人を何とか話して無理矢理休ませてきた今週。


プロに判断してもらった結果、「骨がずれて靭帯が損傷している」とのこと。

「痛みが引くまで休ませるしかない。これ以上の治療は出来ないし一生このまま。このままスポーツを続ける選手もいるし、やめてしまう人もいる」

 

不安げな表情で選手と同僚が聞いている。


痛みがある以上は最高のパフォーマンスはできないだろうし更なるケガの恐れもある。
ただ、今休ませたところでケガの状態が良くなることもない。


そんな状態の選手の起用法とは、指導者はどんな判断をしたら良いのだろうか。

 

ケガに悩まされる選手の気持ちもわかるし、やらせてあげたい気持ちもある。


ただ、ケガをかばったプレーで更なる事故を呼ばないとも言えない。選手としての将来性ももちろん、それ以外の可能性をも摘むわけにはいかない。

 

 

どっちも本音。


彼の起用法については今も決められずにいる。

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徳さんいつもお世話になってます。いつかチーム専属フィジオに…

 

 

チームの方針。というか自分が野球を教える上で一番大事にしたいと考えているのが「楽しむ」ということ。これは教えなくても彼らは出来るし彼らに教えてもらうことの方が多いのかな。

 

他にも「尊敬」とか「挑戦」とか日本の野球で学んだものも少しずつ取り組んでる。

 

 

    Enjoy everything
    Full power play
   Go Forward
    Overcome against yourself
    Respect one another
Always Try harder

 

EFFORT(あんまり努力は強制したくないのだけど語呂が良かったので)


その中で選手に一番言ってきたのが「全力でやる」ということ。

 

どんな時にも全力を出し切れる選手になってほしい。

体調が優れない、調子が悪い、色んな理由で人間は100%の実力を発揮できないことが往々にしてある。

 

ちょっと深爪だとかささくれだとかでパフォーマンスは落ちる。

 

そんな時こそ「体調が悪い」と言い訳をせずに、出せるだけの力を出し切ってほしい。

普段の70%の力しか出せない時に、70%出し切れる選手になってほしい。

全力を出して初めて自分の実力がわかるし、変化や成長もわかる。

 

「練習の全行程3時間ぶっ通しでダッシュしろ」とかそーゆうことを言ってるんじゃない。
オンとオフをしっかり作ろう。

 

全打席ホームランを打てとか三振をいっぱい取れって話じゃない。
バットを思いっきり振るとか、一塁まで全力で走るとか、誰にでも出来ること。


誰にでもできることを一生懸命やろう。

 

 

このFull power playは口を酸っぱくして言ってきました。

 

もちろん、全力でやったからヒットが打てるか?って言ったら打てない時もある。

 

勝負事。相手も勝ちたいから全力でぶつかってくる。絶対に勝てるって言うわけでもない。


毎日100回バットを振ったらプロ野球選手になれるわけでもない。

 

でもやったらその分は近づく。
やらなかった自分より間違いなく近づく。
可能性が少し増える。

 

出来ないより出来たほうが楽しい。
知らないより知っていた方が楽しめる。

 

やってもやらなくてもいい遊びだからこそ、どうせ時間を割くなら本気でやろうぜ。

 

上手くなろうぜ。

 

上手くなった方が勝てる確率は高いし

勝ったほうが楽しいに決まってる。

 

 

 

これはいつしかのミーティングで言った話。
最後はやっぱり「楽しい」に行きつく。


最近では選手たちの口から「フルパワー」とか「100%プレイ」とかが出てくるようになったので、少しは浸透してきたのかな。


For winとかFor Fijiとか「勝つために」と彼らは言い、自分も彼らがそう言うならと厳しい指導もしてきたつもりです。


時には大きい声を張り上げたり、大雨の中でもバットを振り続けたりもしました。
彼らはよく続けてきたなと思います。

 

「勝つために」と何度も唱えていました。

ナショナルコーチとしてこの気持ちと言葉に嘘はありませんでした。

 


しかしフィジー野球協会の1スタッフ(野球普及員)としては、まずは今回の遠征を実施させることが何よりの大きな一歩だと考えているのも事実です。

 

 

今まで7年間も何度か国際大会への招待を受けていましたが、参加表明をしては選手が集まらなかったりお金が集まらなかったり様々な理由で実施できていませんでした。

それが実施できる。

 

自分たちでチームを編成して資金を集め、パスポートやビザの手配をしてと大変な道のりを経て今日まで来ました(自分は殆どグラウンドに居て、CPが走り回ってくれました)

 

他にも海外にいる教会役員や短期ボランティアの先輩や前任の野球隊員など多くの方の小さな活動行動の積み重ねの結果、今回オセアニア大会に参加することが出来ます。

 

こんなラッキーな瞬間に立ち会えるなんて本当に幸せな年の初めです。

 

と言ったものの、不安は山積み。

 

お金を滞納している保護者がいっぱいし、今週に来て中心選手のケガ。

空港に来るまでのバスでも警察が乗り込んできてフィジー語で怒られていたし、空港での手荷物検査でも何か没収されてるみたいだった。

 

飛行機でWi-Fi失くすし、ユニフォームと帽子は届かないですしお寿司。

 

何着て試合に出るんだろうか(笑)

 

こう何度もアクシデント?が続くと笑えてくる。

 

ケラケラ笑いながら日本語でここに書くことでどうにか冷静になろうとしています。


最初から準備万端な旅は自分には似合っていないけど、破天荒な旅を楽しんで無事に帰ってこれたらいいなと思ってます。


The important thing in the Olympic Games is not wining. But taking part.
The essential thing in life is not conquering, but fighting well.
オリンピックは勝つことではなく参加することに意味がある。
人生においても征服することではなく、よく戦うことだ。

 


選手の全力プレーでチームの勝利を願っているのも本音。

大きな事故ケガ無く遠征を成功させたいというのも本音。


頭の中整理出来ていませんが、こんな状況も実は最高に楽しいです。
悩めるって幸せ。


1週間後どんな報告が出来るのかな。

 

 

 

 

最後に

ニュージーランドに行くってことを聞きつけた日本人たち(先輩隊員やらVCやら大使館の方々)が応援のメッセージとともに「マヌカハニー買ってきて」とか「お土産はチョコ以外で」とかお土産の注文までしてくるんです。

 

フィジーこーゆー国です。奥ゆかしい日本人をこうも変えます。

 

寮母に「空港でラム肉買ってきて」と言われた時にはさすがに笑っちゃいました。

近所のお使いじゃねーぞ(笑)

 

 

 

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そんな感じで楽しんできまーす。

NO SWING
NO HIT!!!!!

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